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OmmWriterを試す

 バルセロナの会社が作ったOmmWriter Dana IIが、MacAppStoreのランキングで一位になっていた。紹介記事をいくつか読んで早速試したくなり、うずうずして他の作業に集中できず、コーヒーにミルクを入れるつもりでドレッシングを手に取っていたり、サラダにコーヒーをかけるつもりでタバスコを飲んでいたり、そしてナイフを持って立っていたりと散々であった。

 でもOmmWriter Dana IIは600円を支払わないと試せない。昼食のオムライスの代わりだと思えば安いが、それならオムライスを食べておきたい。


集中力とマルチタスク


 パソコンのOSは、ウィンドウをいくつも開いておけるのが普通になっている。このおかげで、作業から一瞬頭が離れたとき、無意識に別のウィンドウを見てしまう。気になる記事からリンクをたどってハイパーリンク世界一周の旅を始める。または、ゴミでいっぱいのゴミ箱を不憫に思って、ふいにファイル整理を始める。壁紙を替える。どうでもいいことをツイートする。EverQuestにログインする。いびきをたてて居眠りする。
 「他のウィンドウを隠す(Option-Command-H)」機能はこういうときに便利だ。一方で最近再評価されているのが、全画面表示で起動し、他ウィンドウを覆って隠すタイプのアプリケーションである。メニューバーやデスクトップなど、他のアプリケーションへの通用口も隠してしまう。OmmWriterは後者の流れを汲んでいる。

† 隠したアプリケーションはOption-Tabなどで選ぶと再表示される
Mac OS Xの次期バージョンLionは、全画面表示の仕組みを用意する
† アプリケーションを問わずこれと似た表示をするユーティリティとしてThink!がある。「リファクタリング・ウェットウェア」で紹介されていた


OmmWriter Dana Iを試す


 600円のは買わずに、フリー版であるOmmWriter Dana Iを公式サイトでもらってきた。左にある丸い「TRY THE NEW VERSION」ボタンからダウンロードページが開く。ダウンロードにはメールアドレスの入力が必要だ。自分のメールアドレスに600円以上の価値がある方はIIを買ったほうがいいと思う。600円のIIとの違いは背景や音の数だけらしい。
 公式サイトには紹介動画もある。バックで流れる癒し系の環境音楽もOmmWriterのものだ。


機能


 ひたすら文章を書くことに的を絞ったテキストエディタである。画面中央に編集画面があり、あとは背景画像が広がるのみ。デフォルトの背景は荒涼とした雪景色で、BGMが流れる。
 フォントがそれ自身デザイン技術の賜物であることを思い出させてくれる。初めてワープロで文章を書いたときの、自分の言葉がフォントに「変換」されたときの高揚感。言ってみればOmmWriter利用者は、フォントを並べることでフォントと背景、音楽によるマッシュアップを作っているのだ。字と絵と音が組み合わさって最強に見える。
 こんな風に思い込むことができたなら、できた文章が普段よりよく見えるかもしれない。ただ、この感覚も初めのうちだけでやがて慣れてしまうから、文字入力に集中できるというメリットだけが残る。

 OmmWriterの編集機能は最小限で、書式のない文書をテキストエディットで編集するのと変わらない。それなのに見た目の工夫でここまで変われるのが面白いと思う。
 書式指定や構造化には別のアプリが必要だ。また、パソコンやネットにある資料を見ながらの作業には向かない。OmmWriterは同時に1つのファイルだけ扱える。
 作者は利用者の要望を積極的にまとめているようで、今後機能が強化される可能性がある。

 公式サイトの言葉から間違った引用をすれば、「この中に脚本家、ブロガー、ジャーナリスト、コピーライター、詩人、その他文章を書くのが好きな人がいたら、あたしのところに来なさい。以上」ということになる。少なくとも、自由に考えを書き綴るタイプの作文には向いていると思う。
 OmmWriterのおかげでウン年ぶりにブログを更新できたことに感謝しよう。

 などと、さらっとした感想でしめる。むむ。「さらっとした乾燥」なのにしめるとはこれいかにっ。


補足


 編集領域の右に並ぶボタンでフォント種類、フォントサイズ、タイプ音、BGMの設定ができる。あくまで表示用の設定で、部分別の書式設定はできない。一番下のボタンでファイル保存、別名保存、ファイルの読み込みができる。
 Cocoaの標準部品が使われているので、辞書検索やスペルチェック、読み上げ、Emacs式のカーソル操作もできる。

 ちなみに、MacAppStoreの同カテゴリ上位にいる良アプリ「OmniOutliner」「OmniGraffe」は、「OmmWriter」とは別の作者によるもので、シリーズものではない。OmniGraffeはかなり素晴らしいので、また紹介記事にするかもしれない。

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