Windows使いがMacで戸惑うキー操作
何の因果か、WindowsユーザーがMac OS Xを使わなければならなくなったとき、キーボード周りで引っかかりそうな点と解決案をまとめてみた。なお、正確に言うと日本語108キー配列のキーボード(*)を使った場合の話なので、他配列で当てはまらない記述もある点はご注意を。
*最下段のキーの並びがこんな感じのキーボードです
左から Ctrl Windows Alt 無変換 スペース 変換 かな 右Alt アプリ 右Ctrl
▼1. キーボード配列の編集
◇キーボード判定
Macから「左Shiftキーのすぐ右のキー」「右Shiftキーのすぐ左のキー」を押すよう言われ、正しくキーを押した覚えがなければ、環境設定のキーボードにある「キーボードの種類を変更...」を選んで再判定させておく。
◇別のキーに認識されるのはどれ?
正しく判定がされても、そのままでは機能しないキーがいくつかある。
- 全角/半角キーが刻印通り機能せず、`(バッククォート)が打ち出される
→KeyRemap4MacBook(後述)で設定 - Alt、Windowsキーの名前が違う
→KeyRemap4MacBook(後述)またはキーボード設定で設定 - 「無変換」「変換」「カタカナひらがな」のキーを押すとaが打ち出される
→KeyRemap4MacBook(後述)でも対応できなかったので放置
◇違った挙動をとるキー
-
テキスト編集中のHome、End、Pageup、Pagedownキー
おおまかに言うと、Winではカーソルをともなった移動、Macでは表示位置のみの移動になる。Macでカーソルをともなって移動するときはOptionを同時押しする。
→KeyRemap4MacBook(後述)で設定。もしくはMac型操作に慣れる - ブラウザでのHome、Endキー
Macでは、「戻る」操作が割り当てられていたりする
→必要ならKeyRemap4MacBook(後述)で設定
◇まず、Macの「キーのシンボル」について
Macのメニューには
とか
とか、呪文っぽいシンボルが頻繁に書き込まれている。この呪文は何なのか。いったい誰のしわざなのか。そこにいるのは誰っ?
この記号は、特殊なキーを表している。たとえば
はコントロール(Ctrl)キー、
はコマンド(Command)キー、
はオプション(Option)キーを示す。
この一覧はFinderのヘルプで「キーのシンボル」を検索すると見つかる。
◇「修飾キー」の特徴:コマンドキー
マークで表される「コマンド(Command)キー」は、ショートカットキーとして最もよく使われる。例えば
Sは保存、
Cはコピー、
Xはカット、
Vはペースト、
Zはやり直し、
Aは全選択を実行する。
あれ。この組み合わせどこかで見たことが。そう、その通り!(児玉清さんの声で)WindowsのCtrlキーを使うショートカットは、Macの
キーを使うショートカットと対応していることが多い。従ってWindowsキーボードのCtrlキーを押すと
キーが押されるように設定しておけば、慣れ親しんだキーの組み合わせで同じ操作ができることになる。この入れ替えは、環境設定の「キーボード」の下の隅のほうにひっそりと佇む、「修飾キー...」で行える。
難点は、アプリケーション切り替えに使う「
+Tab」の組み合わせが押しにくくなること。Windowsで同等の操作を行う「Alt+Tab」の組み合わせに置き換えたいところだ。Ctrlキーを
キーに置き換えたままこれを実現するためには、後述のユーティリティKeyRemap4MacBookを使う。
◇「修飾キー」の特徴:オプションキー
まるでFinderアイコンの人がうつむいているかのような
マークは「オプション(Option)キー」で、裏メニューを実行する修飾キーだ。メニュー項目が開いている状態で押すと、(大将が無言でうなずいて)メニューがくるっと入れ替わるのがわかる。たとえばFinderのメニュー「全選択」は、Optionを押すと逆の操作「全選択を解除」に変わる。
また、第2のシフトキーとも言える役割もあり、「TM、トレードマーク」や「コピーライト」「不等号」「バックスラッシュ」などのキーボードの盤面に刻印されていない記号を直接打ったり、英字にウムラウトやアクサン記号を付加するときにも使う。プログラマーにとっては、最後の「バックスラッシュ」が打てることは重要(後述)。
似た機能のキーはWindowsにはない。と書くとがびーん伊藤ガビーンとなるところだが、Macでは
との組み合わせでショートカットキーとしても多用されるので、Windowsキーボードで押しやすい位置にあるAltキーを割り当てておこう。
◇「修飾キー」の特徴:コントロールキー
で示される「コントロールキー」は、コマンド、オプション、シフトの組み合わせでは足りなくなったときに登場する。あんまり使わないのでWindowsキーボードのWindowsキーを割り当てておく。
*日本語変換のショートカットとしてよく使う人もいる
*コンソールアプリでは活躍したりする
*ゲームで使うことがある
◇キー入れ替え前の覚悟
キーの入れ替えには短所もある。見慣れないショートカットキーを直感的に理解しにくくなることだ。例えば、メニュー「窓から捨てる

M」を初めて目にしたとき、ショートカットキーを使うには、キー入れ替えがされていることを考慮した上で、各キーがWindowsキーボードでどのキーに当たるのかパズル的思考をしなくてはならない。これはメンドクサイ。ぷー(ふくれる)。
操作のしやすさをとるか、覚えやすさをとるか。無理やり別規格のキーボードを使おうとしているのだから、多少のデメリットは覚悟してますよはははと割り切れる人なら、入れ替えの価値はあるはず。
◇KeyRemap4MacBookの導入
環境設定の「キーボード」では、Windowsキーボード特有の他のキーの機能は変更できないので、ツールを使う。KeyRemap4MacBookは、Takayama Fumihiko氏制作のフリーウェア。メニューは英語だが日本語キーボードにも対応する優れたツールだ。MacBookじゃなくても使える。
KeyRemap4MacBook公式サイトからダウンロードできる。
Macのアイコンって昔っから、抽象画が多いのだ。インストールすると、そんな伝統を引き継いだ「キー」型アイコン――黒い枠にも見える――が、メニューバーの右上に増えているはずだ。それをクリックして、メニュー項目「Open KeyRemap4MacBook PrefPane」を選ぶ。
「Change Key」のページだけでも膨大な量の設定項目が並び、めまいがして座り込んでしまうかもしれないが、今回変更するのはこのうち2つだけだ。
-
虫眼鏡のアイコンがついた入力欄が2つあるが、内側の入力欄で「Option+Tab」を検索する。
「Option+Tab to Command+Tab」にチェックを入れる。これで、Windowsキーボードの「Alt+Tab」がアプリケーション切り替えとして機能する(若干反応速度に違いはある)。 - 同じようにして「KANA/EISUU」を検索。
「Backquote(`) to KANA/EISUU(toggle)」にチェックを入れる。全角/半角キーが本来の能力を取り戻す。ちなみにバッククォートは@キーをShift押しすると打てるので問題ない。
▼2. ウィンドウの最大化/整列操作
Macは標準ではウィンドウ操作のためのキーをあまり用意していない。ウィンドウ操作の自由度に関しては、初期バージョンの頃からAlt+SpaceでウィンドウメニューにアクセスできたWindowsが、さらにWindows 7で「スナップ」機能を手に入れて、頭半分飛び出した感じがする。Windowsだけに力入ってるのかね。
そんなMacでも、ツール「Shiftit」を使うとオプション⌘Fでウィンドウを最大化したり、オプション⌘→で画面右半分サイズにしたりできる(ただし、アプリケーションによっては使えない)。
shiftit公式サイトからダウンロードできる。
もしくはBetterTouchToolを使う。本来はマウスのユーティリティなんだけど、Win7風のウィンドウサイズ調整機能がオプションでついている。
公式サイトからダウンロードできる。
▼3. メニューをキーボードから操作する
Windowsは、Altキーを押してメニューにフォーカスを移せば、方向キーでメニューを移動して、Enterで実行できる。文字入力をメインに作業していると、メニューを選ぶのにわざわざマウスに手を伸ばさずに済む、この方法は便利である。
Mac OS Xでは標準でアップルメニューにフォーカスを移すショートカットキー「Ctrl+F2」が割り当てられている。これを使うと、WindowsのAltキーと似た操作でメニュー操作ができる。
この組み合わせは、環境設定のキーボードの「キーボードショートカット」→「キーボードと文字入力」から変更することもできる。
▼4. スクリーンショットを撮る操作
Windowsは、PrintScreenキーで画面写真を撮り、クリップボードに入れることができる。
Macintoshでは、Shift
3で画面写真を撮る。この画像ファイルはただちにデスクトップに保存される。Windowsのようにクリップボードに入れるだけにしたい場合は、CtrlShift
3を使う。
また、特定ウィンドウの内容だけを撮影する場合は、ショートカットキー入力後すぐにスペースキーを押す。撮影対象にするウィンドウを選べるようになる。
▼5. ¥とバックスラッシュの問題
これはおそらく一部の人にしか関わりのない話である。日本語のOSは昔から、半角の\(バックスラッシュ)と同じ文字コードに半角の¥記号を割り当てている。
Mac OS Xは文字コードにユニコードを使い、半角のバックスラッシュと半角の¥記号を別のコードとして扱うようになっている。
この影響で、バックスラッシュに特殊な意味を持たせたプログラム言語においては、¥記号ではなく本物のバックスラッシュを使う必要がある。
たとえば C言語の記述でprintf("Hello World!¥n"); の¥n(¥記号は実際には半角)は復帰改行の意味を持たず、コンソールには Hello World!¥n とそのまま出力されてしまう。
半角のバックスラッシュをMac OS Xで打つには、Optionキーを押しながら¥キーを押す。システム付属の日本語入力メソッド「ことえり」は環境設定でOptionキーなしでバックスラッシュを打ち出すようにできる。この設定でも¥記号はOption Yで出せる。
Google日本語入力では¥記号が打ち出されてしまう(2010年9月追記:近々ことえりと同じ設定ができるようになるようだ)。KeyRemap4MacBookで「For Japanese」カテゴリー、「JIS Yen(¥) to Backslash(\)」にチェックを入れるとバックスラッシュが打ち出されるようにできる。
▼6. 英数/かな入力メソッドが切り替わらない!?
CapsLockがかかってるときは、英数/かなキーが効かなくなる(何のキーコードも送らなくなってしまうようだ)。なので先にCapsLockを外してから英数/かなキーを押す。もしくは、Cmd+Spaceで切り替える。
これ、日本語モードでCapsLockがかかってても気がつきにくくて、けっこうはまるのだ。困ったときはキャプスさんのことを思い出してあげてください。
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