« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月の記事

モダンウォーフェア2とリスザルと色覚異常

  ちょっと、前の記事を書いたあともちょっと色覚異常についてちょっと調べてて、ちょっと目に止まった記事。ちょっとちょっと。

『モダンウォーフェア2』ユーザーが、色覚異常用パッチを求める署名運動を開始」(日々是遊戯)
  去年末に出た人気ゲーム「Call of Duty」の新作の話。よりによって敵味方の色分けに赤と緑を使っちゃったらしい。ふむう。色使いのガイドラインは、ゲーム会社が持ってるわけでもないんだな。何か他の色を使えない事情があったのかな。
  ネットでのこの署名運動については他にも記事が見つかりますが、署名は現時点で4,000ちょっと。同ゲームについては他にうん十万もの署名を集めた抗議運動も起きてるようで、色の話は埋もれちゃいそうだ。しかしうん十万の署名集めるって、きっと、みんなCall of Dutyが大好きなんだ(ほわわわ)。

 

  もう1つ気になったニュース。

サルの色覚異常、遺伝子注入で治癒」(ナショナルジオグラフィック)
  ナイツ研究所(お笑いではない)が去年、リスザルに緑赤の色覚を与えることに成功したことを報じる記事。

Neitz Color Vision Lab」(公式サイト、英語)
  その研究所のサイト。

色覚の遺伝子治療の可能性」(日本色彩研究所)
  その記事を受けた記事。

Could Colorblindness Cure Be Morally Wrong?」(Slashdot、英語)
遺伝子治療をめぐる倫理問題?」(Slashdot、日本語スレッド)
  将来的に、人の色覚異常も治せるようになるかもしれないという点での議論。まだ詳細がよくわからない話なので、文字通りSFになってる。

  もし実現するとして、一般人が気軽に治療受けられるのは当分先になるだろうけど、そのときにまだ生きててお金があれば、よれよれで寝たきりだったとしても、個人的には治療を受けてみたいな。仮に、倫理的にアウトになったとしても。世の中の9割以上の人が見てるフルカラーの世界を一度見てみたい。欲を言えば、色名に頼らず絵の具で色を作れることを堪能しながら、倫理的にアウトな絵を描きたい。仮に、倫理的にアウトになったとしても。

 

  あと、覚えた言葉。

4色型色覚」(Wikipedia)
  色覚異常で多いのは、色のセンサー3種のうち1種が少ない2色型色覚。逆に4種類のセンサーを持つのが4色型色覚。爬虫類、鳥がそうらしいんだけど、わずかながら人にもいるらしい。エルフなんかも4色型だな。「5色型色覚」というのもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Borderlandsの色

  Borderlands(邦題「ボーダーランド」)は、「RPGとFPSがせーので跳び上がって回転し、空中で合体したようなゲーム」と言えば、何となく説明できた感じのするゲームだ。主観視点の銃撃戦をこなしつつ、経験値を稼いで、スキルツリーを伸ばして、敵や箱なんかから現れるランダムな性能の武器や装備品から、厳正された素材だけを使って、辺境の地を生きていく。

  去年(だったかな)大ヒットしたはずなので遊んだ人も多いと思うんだけど、よくできてますねこれ。   
  ほぼ同じシステムのHellgateが何だかあんまり奮わなかったのが不思議に思えてくる。Hellgateがマルチプレイ前提じゃなければどうなってただろう。

  トゥーンシェーディングの絵がいいダシを出してます。乗り物に乗ると客観視点に変わります。

BL002

  普段は主観視点。 

BL003

  さて、話は一旦脇にそれて、「色覚異常」の話。少し寄り道をしてからBorderlandsに戻ります。 

  少し前まで日本でも、小学校に入るとみんな受けてた色覚検査。まばらな大きさの色の点が印刷された絵本みたいな冊子を見て、そこに字が見えるか尋ねるというアレ、最近やらなくなったようですね。どうやら、色の見え方が多少他の人と違っても学校生活に支障はないし、検査で明らかにすることでかえって余計な誤解を受ける可能性があるってことでなくしたようです。   
  もちろん今でも、特定の色を見分けられないと成り立たない職業や資格の試験では、こうした検査が必要です。

  そんな色覚異常ですが、けっこうな割合で存在します。特に件の色覚検査で異常と判断される「先天赤緑色覚異常」については、日本男性で約20-22人に1人、女性で約500-600人に1人います。クラスに1人か2人はいる感じですね。Wikipediaに白人男性の例もあったのでついでに書いとくと、白人男性だと約12.5人に1人。検査をしなくなっても色覚異常が減るわけじゃありません。

  実はあっしも、「チミはこれだね」と診断された口です。   
  例えば、絵の具を色の濃いほうから順に並べてねと言われると、大半の人が並べる順番とはちょっと違う並べ方をします。明るい赤とオレンジ、黄緑をひとつだけ見せられると、色を間違えて答えることがあります。などなど。

  色覚異常の割合がそこそこ多いために、デザインの分野ではそこに配慮するのが普通のようです。選択肢として色が使われる場合、見分けがつきやすい色選びをしたり、色名や、歩行者用信号機の人の絵のように色以外の情報も添えるのは親切です。ウェブの色使いに関しては、W3Cが指針を出してます。

  ここでようやくゲームの話に戻ります。遠回りしました。

  老舗のソフトウェアメーカーは色覚異常への配慮について、何か指針を持ってると想います。というのは、色がはっきりとわからないために進行不能になるようなゲーム、ソフトウェアはほとんど見ないから。   
  いま思い出せるものに、「ぷよぷよ」があります。ぷよぷよは難易度をあげると「ぷよ」の色数が増えるんですが、同じ色なのかどうかがわからなくなって、「くっつかねー」と「くっつかねー」があわさって「ばたんきゅー」という羽目になる。

  Borderlandsでは、装備品の希少度合を名前の色で表すというDiablo式のアレが採用されてます。

参考:Borderlands Wikiの「Rarity」のページより、転載した画像

Rarity01

  希少度の高い順にDark Orange→Orange→Light Orange→Purple→Blue→Green→White。こうやって一列に並べてもらうと違いがわかるんですが、1つだけを見たときに「紫なのか青なのか」「緑なのかオレンジなのか、それがダークなのかライトなのか」わからないのだ。オレンジ以上はかなり希少みたいなんだけど、いざ出現したときに緑だと思って拾わないかもしれない。

  下のは実際の画面。並んでればかろうじてわかるようなわからないような。Diablo IIは(初代は忘れましたが)色分けもしつつ、「Rare」「Common」「Unique」といった文字情報も併記してました。色もわかりやすいのに絞られてたように思う。Borderlandsは、デザイナーが「色だけでわかるじゃん」って判断しちゃったのなら残念に思う。

BL001

  「色々の色」というツールで色名を表示させることも試したけど、なかなか大変だ。   
  ちなみに「色々の色」は色覚異常には役立つ場面がある神ツールで、シェアウェアで500円です(※支払おうとしたら、いまは入金受付が休止中のようでした)。

  「色々の色」公式サイト

  以上、ユーザーインターフェースのデザインでは常識だと思ってたのに覆されてびっくりした色の扱いに関するレポートでした。
  まあ色のことは忘れて、装備品の性能だけ逐一比較すればいいっちゃあいいんだけど、箱をぱかっと開いたときに超レアなものがぽろっと出てきたときの喜びがなくなっちゃうのだな。しょうがないのでいまそれでやってますけども。ほんとにしょうがない子だね。

追記:
  一番言いたいことを書き忘れてた。日本で色覚異常の強制的な検査がなくなったのは喜ばしいことだけど、その存在が世間から忘れられても困るのだ。100万本売れるゲームなら、単純計算して約2万人に関わる問題になる。ゲームを買う人の男女比を考えると、もっと多くなるはず。ゲームの話に限らないけどね。
  Borderlandsに関しては、Gearboxの公式フォーラムにもいくつか、色覚異常の話("Colorblind folks..."など)が投稿されてて、他の色覚異常の人も似た戸惑いを感じてることがわかりました。ただ、レア度(色)はあてにならないことがあって、結局性能を見て選べるから大丈夫らしいです。Gearboxのスタッフの回答もだいたいそんな感じ。正常視できる人が、色覚異常を理解するのに苦労する様子も見えます。

参考サイト:   
色覚異常を理解するために(視覚研究所)   
目の病気:その他:先天色覚異常(日本眼科学会)   
色覚異常(Wikipedia)   
石原式色覚異常検査表(Wikipedia)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »